膀胱炎の症状は?「しみる・近い・残る」のサインに要注意

膀胱炎の症状は?「しみる・近い・残る」のサインに要注意

膀胱炎は、女性の2人に1人が生涯で経験するといわれる身近な病気です。一方で、忙しさや恥ずかしさから受診を後回しにしてしまう人も少なくありません。今回は、女性に多い膀胱炎の原因や症状、受診の目安、繰り返さないためのセルフケアについて、女性の泌尿器科疾患に詳しい医師に話を聞きました。

教えてくれるのは…
佐藤 亜耶先生
佐藤 亜耶先生
自由が丘ウロケアクリニック 院長

日本泌尿器科学会認定専門医、医学博士。日本大学医学部卒業後、研修医を経て同大学泌尿器科に入局。関連病院で診療経験を積み、2019年に自由が丘ウロケアクリニック開院。日本泌尿器科学会、小児泌尿器科学会、女性骨盤底医学学会、日本夜尿症学会所属。
 
[監修者]佐藤 亜耶先生:https://urocare.jp/doctor.html
自由が丘ウロケアクリニック:https://urocare.jp/

膀胱炎は女性に多い身近な病気

膀胱炎は、女性に多い「尿路感染症」のひとつです。膀胱炎の多くを占める「急性膀胱炎」は、主に大腸菌などの細菌が尿道から入り込み、膀胱で炎症を起こすことで発症します。女性は男性に比べて尿道が短く、細菌が膀胱へ入り込みやすいため、膀胱炎を起こしやすいとされています。

人間の体には、外部から侵入した細菌などを排除する「自浄作用」が備わっており、細菌のほとんどは尿とともに排出されます。しかし、免疫が落ちていたり、疲れていたりすると、自浄作用が弱まり、膀胱に細菌が残ってしまい、急性膀胱炎を発症することがあります。

佐藤先生
佐藤先生

膀胱炎は季節を問わず、一年中発症する病気です。寒暖差が大きい季節や、疲労やストレスがたまりやすい時期は、特に注意が必要です。冷えやホルモンバランスの変化などによって免疫力が低下すると、発症のきっかけになることもあります。[

覚えておきたい「しみる・近い・残る」といった尿のサイン

膀胱炎の代表的な症状は、次の3つです。

□ 排尿時の痛み(排尿痛)
□ トイレが近くなる(頻尿)
□ 残尿感

排尿の終わり頃に「ギューッ」としみるような痛みを感じるのも、特徴のひとつです。これは「排尿終末時痛」と呼ばれ、膀胱の粘膜に炎症が起きているときにみられる症状です。また、「トイレに行ったばかりなのに、すぐに行きたくなる」「おしっこを出し切れていない感じがする」といった違和感を覚える人もいます。

膀胱炎の症状が出ている女性

膀胱炎の炎症が強い場合には、トマトジュースのように真っ赤な尿が出るケースもあります。これは、膀胱の粘膜で炎症が起こり、出血しているためです。

佐藤先生
佐藤先生

膀胱炎は、「なんとなくムズムズする」「少し違和感がある」といった軽い症状だけの場合もあります。そのため、「これくらいなら大丈夫」と我慢して、受診を先延ばしてしまうケースも少なくありません。しかし、膀胱炎を我慢しすぎると、急に悪化してしまうこともあります。

膀胱炎が悪化して、腎臓まで炎症が広がる「腎盂腎炎(じんうじんえん)」になると、40℃近い高熱が出ることがあります。強いだるさや発熱、背中の痛みなどを伴う場合にも、早めの受診が必要です。

我慢はNG!「なんか変かも」と思ったら早めに受診

一般的に「膀胱炎」と呼ばれるものの多くは、大腸菌などの細菌が尿道から入り込み、膀胱内で繁殖する急性膀胱炎です。急にしみるようになったり、何度もトイレに行きたくなったりするなど、「なんか変かも?」と思ったら、早めに泌尿器科を受診しましょう。

女性も安心して受診できる。「泌尿器科」はこんな場所
泌尿器科に対して、「なんとなく行きにくい」「男性の患者さんが多い」というイメージを持っている女性は少なくないと思います。でも、尿のトラブルは性別や年齢を問わず誰にでも起こりえるもの。泌尿器科は、女性はもちろん、子どものおしっこの悩みも相談できる診療科です。

そこで本記事では、女性には受診のハードルが高いと思われがちな、泌尿器科について詳しく解説します。「内診はあるの?」「診察は痛くないの?」などの疑問や不安について、女性と小児の泌尿器科「自由が丘ウロケアクリニック」院長の佐藤亜耶先生に教えていただきます。
https://www.aisei.co.jp/helico/health/urine-concerns-urology/

治療では、1週間程度、抗菌薬(抗生剤)を服用し、症状や体質によっては漢方薬を併用することもあります。処方された抗菌薬は自己判断でやめたりせずに、医師の指示通りに飲み切りましょう。途中で服用をやめると、原因菌が残って再発しやすくなります。

婦人科?泌尿器科?で迷ったら

膀胱炎の症状と性感染症の症状には、似ているものもあります。婦人科と泌尿器科のどちらを受診するか迷ったら、尿の症状が強ければ泌尿器科へ、腟のムズムズ感やおりものの異常があれば婦人科を受診するとよいでしょう。

佐藤先生
佐藤先生

膀胱炎は、ほんの少しの炎症であれば市販薬でよくなることもありますが、炎症が強い場合には自然に治ることはほとんどありません。いつもと違うと感じたら、ためらわずに泌尿器科を受診してほしいですね。

また、膀胱炎は症状がよくなっても完全に治っていないことがあるため、当院では薬を飲み終えた後に再び来院してもらい、尿検査で完治を確認するようにしています。

思春期から更年期まで、年代によって変わる膀胱炎リスク

膀胱炎は、年代によって起こりやすいきっかけや背景が異なります。10代〜30代では、生理や性交をきっかけに症状が出るケースがよく見られます。生理中はナプキンによる蒸れや体調変化が起こりやすく、細菌が繁殖しやすい環境になります。また、性交によって尿道付近に細菌が入り込み、膀胱炎につながることもあります。

一方、更年期以降は、女性ホルモン(エストロゲン)の低下が関係してきます。デリケートゾーンの粘膜が薄くなって乾燥しやすくなるほか、細菌の侵入を防いでいる乳酸菌などのバランスが崩れて自浄作用が低下します。すると、雑菌の繁殖を抑える力が低下して感染を繰り返しやすくなるのです。このような状態は「GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)」と呼ばれ、更年期世代の女性に多くみられます。膀胱炎に繰り返し悩むようであれば、デリケートゾーンの保湿ケアなどセルフケアがより大切になります。

年代ごとの膀胱炎リスクの原因のちがい

洗いすぎは逆効果?繰り返さないための対策&セルフケア

膀胱炎は再発しやすい病気ですが、日々のセルフケアで再発を防ぐことができます。
次のことを心がけましょう。

□ 水分をしっかり摂る
□ トイレを我慢しすぎない
□ 生理時のナプキンはこまめに替える
□ デリケートゾーンを洗いすぎない
□ ウォシュレットやビデを使いすぎない
□ トイレの後はペーパーでそっと押さえる(前後に動かさない)
□ 性交渉前にデリケートゾーンを清潔にする
□ 性交渉後は排尿・水分補給をする
□ デリケートゾーンの保湿(更年期以降は特に推奨)
□ 日頃から免疫力を維持しておく(疲労をためない、十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を取り入れるなど)

佐藤先生
佐藤先生

尿道や陰部の粘膜の健康を保つには、洗いすぎないこと・乾燥させないことが大切です。特に粘膜が乾燥しやすくなる更年期以降は、日常的にデリケートゾーンの保湿ケアを取り入れるといいでしょう。pH値が調整されたデリケートゾーン専用の洗浄剤やローションを使ってみるのもおすすめです。

性交渉時には、粘膜を傷つけないように、保湿ジェルを使用するのもいいですね。また、性交渉時は細菌感染しやすいため、意識して水分補給を行い、おしっこをたくさん出すように心がけましょう。

デリケートゾーンをケアするお女性

違和感に気づいたらためらわず受診を

膀胱炎は、女性にとって身近な病気のひとつです。そのため、「これくらいなら我慢できる」と、受診を後回しにしてしまう人も少なくありません。しかし、違和感を我慢し続けることで、症状が長引いたり、悪化したりすることもあります。

「なんか変だな」と感じたら、一人で抱え込まず、早めに医療機関へ相談することが大切です。日頃から水分補給や冷え対策、デリケートゾーンのケアを意識しながら、自分の体と上手につき合っていきましょう。

CREDIT
取材・文:及川夕子 編集:HELiCO編集部+ノオト イラスト:naohiga

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