カフェインを含まず、爽やかな味わいで飲みやすい――。
そんな理由から「体にいいお茶」として人気のルイボスティー。ペットボトル商品や専門店が増えつつあり、日常的に飲んでいる人も多いのではないでしょうか。
一方で、「どんなところが体にいいの?」「毎日飲んでも大丈夫?」「子どもや妊娠中は?」といった疑問を感じることもあります。この記事では、ルイボスティーの特徴や研究でわかっている効果、飲む際の注意点、上手な取り入れ方などを紹介します。
- 教えてくれるのは…
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- 市原 由美江 先生
- eatLIFEクリニック 院長
2009年山口大学医学部医学科卒。独立行政法人国立病院機構関門医療センターでの研修、東京女子医科大学糖尿病センター内科勤務などを経て現職。自身が11歳の時に1型糖尿病を発症。糖尿病専門医と患者という両方の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のための講演活動を行っている。ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識も豊富。著書に『血糖値を自力で下げるやり方大全』(フォレスト出版)がある。
[監修者] 市原 由美江先生:https://eatlife-cl.com/doctor/
eatLIFEクリニック:https://eatlife-cl.com
ルイボスティーとはどんな飲み物?
ルイボスティーは、南アフリカ原産のマメ科の植物からつくられるお茶です。緑茶や紅茶、中国茶などとは原料が異なり、含まれる成分にも違いがあります。カフェインを含まないため、飲む時間を選ばず、生活に取り入れやすいメリットがあります。
また、同じルイボスティーでも製法によって、「発酵タイプ(赤みのあるレッドルイボスティー)」と「非発酵タイプ(緑色を帯びたグリーンルイボスティー)」に分かれます。レッドルイボスティーはほのかな甘みを感じる味わいで、グリーンルイボスティーはさっぱりと爽やかな味わいが特徴です。
ルイボスティーの主な栄養素
- ポリフェノール
- カルシウム
- マグネシウム
- カリウム
- 鉄
ルイボスティーに期待されるメリット(健康効果・効能)
健康や美容にいいイメージがあるルイボスティーですが、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ポリフェノールやミネラルが豊富
まず注目したいのは、抗酸化作用が期待できるポリフェノールが豊富な点です。ルイボスティー特有の成分として、ポリフェノールの一種「アスパラチン」を含むほか、ケルセチン、ルチンなどのポリフェノール、さらにカリウムやマグネシウムなどのミネラルも含んでいます。なかでも「アスパラチン」は、血糖値の上昇や生活習慣病の予防、肌の健康維持などさまざまな健康効果が期待される成分です。
「血糖」との関係でわかっていることは?
ルイボスティーに含まれる「アスパラチン」に関する研究報告では、アスパラチンが糖の吸収を抑え、食後の血糖値を抑制する可能性や、インスリンの効きをよくする(インスリン抵抗性の改善)可能性が、動物実験の段階で示されています。ヒトでの研究も一部ありますが、血糖値を劇的に下げる効果やメリットがあるわけではなく、“下げる可能性がある”というレベルにとどまっています。
ルイボスティーをおすすめする人
ルイボスティーは、ノンカフェインかつタンニン(渋み成分)も少なく、ミネラル補給にも適しているため、以下のような場面に適しています。子どもや妊婦、授乳中の人にも、日常的な飲み物として取り入れやすいお茶です。
□カフェインを控えたい
□睡眠前にリラックスできる飲み物がほしい
□家族で同じお茶を飲みたい
ルイボスティーをおすすめしない人
ルイボスティーは食品であり、比較的安全性の高い飲み物ですが、誰にとっても無制限におすすめできるわけではありません。持病がある人など、注意したいケースもあります。
肝臓や腎臓に病気がある人・透析中の人
ルイボスティーにはカリウムが含まれています。腎臓が健康な人は、カリウムが塩分の排出を助け、むくみや血圧対策に良い効果が期待できます。一方で、腎不全・透析中の人は、カリウムを排出しにくいため、摂りすぎは避ける必要があります。該当する人は、必ず主治医に相談してください。
妊娠中の人
カフェインが含まれない点は安心材料ですが、妊娠後期には、ポリフェノール過剰摂取による胎児の動脈管早期収縮のリスクが指摘されているため、ルイボスティーの過剰摂取には注意が必要です。
お腹がゆるくなりやすい人
ルイボスティーに含まれるマグネシウムの影響で、体質によってはお腹がゆるくなり下痢気味になることがあります。胃腸がデリケートな人や便秘薬を服用中は特に、体調を見ながら飲む量を調整しましょう。
鉄剤を飲んでいる人(貧血気味の人)
お茶類に含まれるタンニン(カテキンなど)という成分は、鉄(特に植物由来のヘム鉄)の吸収を阻害することがあります。ルイボスティーは、緑茶や紅茶、烏龍茶などに比べるとタンニンが少ないとされているので、食事中や服薬前後は、水やルイボスティーを選ぶのも一案です。ただ、過剰に飲むのは注意するべきです。
ルイボスティーを飲むときの注意点
ルイボスティーには利尿作用のあるカリウムが含まれているため、睡眠前にたくさん飲むと夜中にトイレに行きたくなるかもしれません。また、お茶によく含まれるタンニンは、鉄の吸収を阻害してしまいます。ルイボスティーは、緑茶や紅茶に比べてタンニンが少なく、煮出しても苦味・渋みが少ないお茶ですが、濃く抽出しすぎると風味・成分に影響が出るため、規定の抽出時間を守ることが大切です。
ルイボスティーを飲むタイミング
飲む時間帯による明確な差は確認されていません。カフェインを含まないため、夜に飲んでも睡眠を妨げにくいのはメリットです。
飲むタイミングは、以下を目安にしてみましょう。
◯血糖を意識するなら → 食事と一緒
◯美容やリラックス目的なら → 好きな時間でOK
ルイボスティーの一日に飲む量の目安
一日に飲む量は、500〜600mL程度なら問題ないでしょう。健康的な食生活の基本は、1つの食材に偏らないこと。ルイボスティー以外の飲み物もうまく取り入れましょう。
ルイボスティーに関するよくある質問
「抗酸化」「美肌」「血管に良い」は、どう考える?
ルイボスティーの「健康・美容にいいお茶」というイメージのもとになっているのは、ポリフェノールが持つ強い抗酸化作用が、細胞の老化を防ぎ血管の健康維持や美容に役立つという解釈です。ただ、血管や美肌への効果やメリットについて、ヒトを対象にした十分な研究報告はまだありません。
子どもにもルイボスティーを飲ませて大丈夫?
子どもがルイボスティーを飲むこと自体に大きな問題はありません。ただし、積極的にたくさん飲ませる必要はなく、水分補給は水や他のお茶と組み合わせ、特定の飲み物に偏らないことが大切です。体が小さい子どもはミネラルの影響を受けやすいため、量は控えめにしましょう。
「おいしく」「ほどよく」続けよう
ルイボスティーは、「これさえ飲めば健康になる」という万能な飲み物ではありませんが、カフェインを含まず、ポリフェノールやミネラルが豊富な日常に取り入れやすいお茶です。最近では、健康志向の高まりとともに多種多様なフレーバーのルイボスティーが展開され、楽しみ方が広がっています。その日の気分で、味や香りを楽しむのもおすすめです。毎日の飲み物を少し見直す、その選択肢の一つとして、ルイボスティーを上手に活用してみてはいかがでしょうか。