花粉で肌荒れ!?花粉皮膚炎の原因と今すぐできる予防法

花粉で肌荒れ!?花粉皮膚炎の原因と今すぐできる予防法

花粉の季節になると、肌荒れやかゆみ、赤み、発疹が起こるという方もいるのではないでしょうか。それらの症状は、花粉に対するアレルギー反応によって肌に炎症が生じる「花粉皮膚炎」かもしれません。本記事では、花粉皮膚炎の原因やその予防法について解説します。

教えてくれるのは…
矢上 晶子先生
矢上 晶子先生

藤田医科大学 ばんたね病院 総合アレルギー科 教授。医学博士。1996年に藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)医学部を卒業後、研修医として同大学の皮膚科学教室に入局。2004年には同教室 講師となる。国立成育医療センター(現・国立成育医療研究センター)研究所免疫アレルギー研究部(現・免疫アレルギー・感染研究部)への国内留学を経て、2017年より現職。藤田医科大学 総合アレルギーセンター センター長、藤田医科大学 医学部先端アレルギー免疫共同研究講座 教授なども兼任。
 
[監修者]矢上晶子先生:https://bantane.fujita-hu.ac.jp/department/overall_allergy.html
藤田医科大学 総合アレルギーセンター:https://www.fujita-hu.ac.jp/general-allergy-center/
藤田医科大学 医学部先端アレルギー免疫共同研究講座:https://allergy-immunology.med.fujita-hu.ac.jp/

特定の時期だけ肌が荒れる?花粉皮膚炎とは

花粉が飛散する時期に、肌にかゆみや赤み、発疹などが生じたり、肌荒れを起こしてしまったりした経験はありませんか? これは、空気中の花粉が原因となる「花粉皮膚炎」の症状と考えられます。

花粉皮膚炎は、バリア機能(肌の水分量を一定に保ち、外部の刺激や異物から肌を守る機能)が低下した肌に花粉が侵入し、アレルギー反応を引き起こして炎症が生じるものです。「肌のバリア機能低下」と「花粉の刺激」という2つの要因が重なったときに症状が現れます。

そのため、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど一般的な花粉症の症状がある人が、必ず花粉皮膚炎を発症するわけではありません。

主な症状と部位

花粉皮膚炎は、衣服で隠れにくい、顔や首、特に皮膚の薄いまぶたや首の前側に症状が出やすいのが特徴です。初めに症状として現れるのは、肌の赤みとかゆみ。その部位をくり返しかいてしまうと、鱗屑(りんせつ)という皮膚が魚のうろこのようにポロポロと細かくはがれる状態になります。そして徐々に皮膚が厚く硬く、ゴワゴワになる苔癬化(たいせんか)が起きてしまいます。

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発症しやすい時期

花粉が飛散する時期、特にスギ花粉の飛散量が増える2月〜4月にかけて多く見られます。この時期は空気が乾燥しているため、肌も乾燥気味になり、バリア機能が低下することで症状が現れやすくなります。秋に飛散する、ブタクサやヨモギなどの花粉により発症するケースもあります。

花粉皮膚炎になりやすい人・悪化しやすい人

花粉皮膚炎はアレルギー反応のひとつであり、肌のコンディションが発症と経過に大きく関係します。以下のケースに該当する人は、花粉皮膚炎になりやすい・悪化しやすい傾向にあります。

毎日メイク落としをする人

花粉皮膚炎は、外に出ることが多い20~60歳代、なかでも女性に起こりやすいといわれています。これは、外出時に花粉が肌につくだけでなく、化粧を落とすために洗浄力の高いクレンジングを使用したり、その後の保湿が不足していたりすることによって肌が乾燥し、バリア機能が低下してしまうために起こると考えられます。

アトピー性皮膚炎の既往歴がある人

アトピー性皮膚炎のように皮膚のバリア機能が低下しやすい体質の人は、花粉皮膚炎が生じやすく、悪化もしやすいといえます。

かゆみを我慢するのが苦手な子ども

子どもは皮膚が薄く乾燥しやすい特徴があります。加えて、かゆみを我慢できずにかきむしってしまって肌のバリアを壊し、症状を悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。

花粉皮膚炎を防ぐためにできること

花粉皮膚炎を予防するためにどのような対策ができるのでしょうか。日常生活で意識したいポイントをご紹介します。

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花粉を肌に付着させない

外出時には、マスクやメガネ、帽子などを活用し、花粉が直接肌につくのをできるだけ防ぎましょう。また、表面がツルツルした素材の服を選ぶと、衣類に花粉がつきにくくなります。帽子などはこまめに交換、洗濯をするのがベストです。また、洗濯物を外に干すと花粉がついてしまうので、花粉が飛散する季節は室内干しにするのがおすすめです。

付着した花粉は早めに取り除く

帰宅したら、玄関先で衣類や髪についた花粉を軽く払い落としましょう。その後、洗顔やシャワーで肌についた花粉を洗い流すことも有効です。まずは水だけで洗顔し、必要に応じて弱酸性など肌にやさしい成分の洗顔フォームや石鹸で、しっかりと泡立てて洗ってみてください。ただし、ゴシゴシと強くこすったり、皮脂を取り除きすぎたりすると、かえって肌のバリア機能を低下させてしまうため、やさしく洗うこと、拭くことを心がけましょう。

保湿をしっかり行い、肌のバリア機能を保つ

花粉皮膚炎の予防で特に重要なのが、肌の乾燥を防ぎ、バリア機能を保つことです。帰宅後に花粉を落とすためにすぐに洗顔をしても、しっかりと保湿をしなければ逆効果にもなり得ます。

洗顔後や入浴後は、化粧水や乳液、クリームなどで十分に保湿しましょう。肌がしっとりとうるおっている状態を保つことで、花粉が肌のなかに入り込みにくくなり、炎症が起きにくくなります。花粉が多い季節こそ、丁寧なスキンケアが大切。普段よりも厚めに乳液やクリームなどを塗布しましょう。皮膚に擦り込むのではなく、肌に「置く」ようなイメージで塗ってみてください。

なかなか改善しない場合には、段階的により保湿力の高いスキンケア商品を使用してみるなどの工夫も必要です。

花粉皮膚炎の症状が見られたら、メイクはお休みを

メイク落としをしすぎると、肌が乾燥し、バリア機能を低下させてしまうこともあります。花粉皮膚炎の症状が出ている際には、メイクをお休みする、あるいは目の周りなど症状が出ている箇所はメイクをしないのがベストです。難しい場合には、メイク落とし後の保湿をより念入りに行ってください。

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かゆみなどの症状で医療機関を受診しても問題なし!

肌のかゆみや赤みだけでは皮膚科を受診しにくいという人もいるかもしれません。しかし、かゆみはQOL(生活の質)にも影響を及ぼすため、症状が現れたら皮膚科やアレルギー科を受診して問題ありません。また、かいた傷が悪化している、傷口から感染を起こしている場合などは直ちに医療機関を受診しましょう。

処方されたステロイド外用薬は、必ず決められた部位・量を守って!

医療機関を受診すると、炎症を抑える作用のあるステロイド外用薬を処方されることがあります。顔に塗るステロイド外用薬は、皮膚が薄く敏感な目の周りなどに塗っても安全なランクのものが処方され、体に塗るものとは薬の強さが異なります。

たとえば、体に塗るために処方されたステロイド外用薬などを自己判断で顔に塗ったり、家族に処方されたステロイド外用薬を使い回したりすると、薬を吸収しすぎて副作用がでる場合があります。必ずそのとき、その人に合ったランクの薬を処方してもらい、塗る部位と量を守りましょう。

肌の保湿でバリア機能を保とう

花粉皮膚炎の予防には、花粉症に対して行うような基本的な花粉対策はもちろん、何よりも肌のバリア機能を保つことが重要です。肌が乾燥しやすく、花粉の飛散も多い季節。「やりすぎかも?」と思うくらいにしっかりと肌を保湿して、肌のバリア機能を高めましょう。

CREDIT
取材・文:HELiCO編集部+ノオト イラスト:いよりさき

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