明細に書かれている点数。これは調剤報酬点数といって、厚生労働省によって定められています。国民の誰もが平等に治療を受けられるように、お薬の値段や薬剤師の技術料金は国で定められているのです。薬の効き目の強さは、裏を返せばカラダの調和を乱す異物にもなりえます。100%の安全管理を行うために、ガラスの向こう側では、そのための知識や技術をもった薬剤師が厳正な調剤・監査を行っています。
領収書
調剤基本料明細A▶
調剤基本料は、その名のとおり、薬局で処方せんに基づく調剤を行うための基本料金。店舗ごとに料金が異なります。たくさんの医薬品を取り揃えていたり、24時間対応だったり、機能的な薬局であればあるほど、基本料金が高くなっています。
薬剤調製料明細B▶
薬剤調製料は、お薬を調剤するための技術料です。処方されるお薬の種類や処方日数によって料金が異なります。粉薬や軟膏を混ぜ合わせたり、飲みやすくするために粉状にしたり、1回分のお薬を1袋にまとめたりといった、特別な技術を必要とする場合には、さらに料金が加算されます。
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明細C▶
薬学管理料は、患者さまのお薬の情報を管理し、適切な服薬指導や薬に関する情報提供を行うことに対する料金です。「長期投薬情報提供料」や「在宅患者訪問薬剤管理指導料」など、提供する情報内容によって点数が異なり、麻薬を使用するといった場合には、さらに料金が加算されます。
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医療材料料は、国が認めている特定の医療器具の中で、保険薬局で購入できるものの料金です。例えば、在宅の患者さま用の特殊なカテーテルや、インスリンを注入するための特殊な注射針などが対象となります。
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実際に患者さまに支払っていただく自己負担額をさします。基本的に70歳以下の方の自己負担割合は3割。70歳以上の方は所得や年齢条件によって1~3割の負担となっています。つまり、残りの7~9割は国が国民から徴収した保険料や国庫などで補われているのです。近年では国が補填する医療費の高騰化が社会問題となっています。
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保険外費用は、軟膏やシロップ、スポイトなどの容器を患者さまに貸し出しする際の料金といった、保険が適用されないものの料金です。
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調剤報酬点数とは
調剤明細書
領収書
明細書に書かれている保険点数は、1点=10円で計算します。この保険点数の総合計に10円をかけた金額が、実際の保険調剤にかかる医療費。みなさんが支払う金額が保険適用分を除いた3割なので一見小額に感じますが、残りの7割は国民から徴収した保険料や国庫から国が補っているのです。近年は、この国が補填する医療費が増大し、社会問題となっています。些細なことでもすぐに医者にかかったり、薬を飲み残して大量の薬をムダにしてしまったりすると、国のお財布は大きなダメージを被ります。みなさんの努力で、少しでも薬のムダを減らせたら、国の医療費を減らすことができる。そんな目でこの点数を見てほしいと思います。
忙しくて飲み忘れたり、子供が嫌がって飲んでくれなかったり。処方されたお薬が正しく飲めないことは、誰にでもよくあります。患者さまの服薬状況を把握し、飲み忘れが多ければ処方変更を、残薬がたくさんあれば処方調整を提案する。見えないムダをできる限りなくすことも、調剤薬局の大切な役割です。この細かなアクションの積み重ねが国の医療費削減に貢献します。アイセイ薬局では、患者さまの服薬状況と飲み残したお薬の金額を「見える化」する電子お薬手帳アプリ「おくすりPASS」を独自開発。お薬のムダ撲滅のために、日々取り組んでいます。
増大する国の医療費は、次世代を担う子どもたちに重い負担を残すことにつながります。家庭の医療費、そして国の医療費を減らすためにできること。それはジェネリック医薬品の選択です。
ジェネリック医薬品を使用してみたいけれど不安がある方には「分割調剤」をオススメしています。分割調剤とは、1枚の処方せんを複数回に分けて調剤すること。例えば、60日分処方されているお薬のうち、まずは7日分だけジェネリック医薬品へ変更しお試しすることができます。
安全性はそのままに、より安いお薬を提供すること。ジェネリック医薬品を選ぶことは、未来の子どもたちへの思いやりです。食材の1円2円を競うよりも、もっと大きな社会的メリットがそこにはあります。