2025.11.21

OTC医薬品とは?分類や活用方法を解説

OTC医薬品とは?分類や活用方法を解説

急な頭痛や発熱、またケガなどに見舞われたときや日頃の備えとして、薬局やドラッグストアなどで購入できる市販薬を活用している方も多いでしょう。
こうした薬はOTC医薬品(一般用医薬品)と呼ばれており、本記事ではOTC医薬品の分類や使用するときに知っておきたいポイントについて解説します。

OTC医薬品とは

OTC医薬品とは、医療用医薬品とは異なり、医師の診断や処方箋がなくても薬局やドラッグストアなどで購入できる薬を指します。
※医療用医薬品とは、医師の診断や処方に基づいて使用される薬で、一般的には効果が強いものが多くあります。

OTCはOver The Counter(オーバー・ザ・カウンター)の略で、カウンター越しに販売することに由来します。日本では大衆薬、家庭薬、市販薬などと呼ばれていましたが、現在はOTC医薬品という名称で呼ばれることが多くなっています。

アイセイ薬局
薬剤師

すべての医薬品は、副作用などのリスクに応じて分類されています。一般的に、OTC医薬品は医療用医薬品と比較すると、比較的リスクの低い薬です。

OTC医薬品の分類

OTC医薬品は、成分や副作用の程度により「要指導医薬品」「一般用医薬品(第1類、第2類、第3類)」に分類されます。
それぞれの分類ごとに購入時のルールが法律で決められています。
※第2類のなかには、特に注意が必要と厚生労働大臣に指定されている指定第2類医薬品も含まれます。

要指導医薬品

・OTC医薬品の成分として初めて販売されたため、リスクが確定していない薬や、医療用医薬品からOTC医薬品に転用されて間もない薬です。
・薬剤師から対面でのみ購入が可能です。
・使用者本人のみが購入可能です。
・薬剤師から書面による情報提供を受けたうえで、購入することができます。
※用法、用量、使用上の注意などの説明

一般用医薬品

第1類医薬品

・一般用医薬品のなかでは、副作用や飲み合わせのリスクが最も高い薬です。
・薬剤師から対面またはインターネット等で購入が可能です。
・要指導医薬品と同様に、薬剤師から書面による情報提供を受けたうえで、購入することができます。

第2類医薬品

・第1類医薬品ほどではありませんが、副作用や飲み合わせのリスクが高い薬です。
・薬剤師または登録販売者から、対面またはインターネット等で購入が可能です。
・必要に応じて、薬剤師または登録販売者から情報提供を受けたうえで、購入することができます。

アイセイ薬局
薬剤師

第2類医薬品は、購入者が手に取れる場所に陳列されていますが、第2類医薬品の中でも特に注意が必要とされる指定第2類医薬品は、「薬剤師等がいるカウンターから7メートルの範囲内にある棚に置かなければならない」という決まりがあります。

第3類医薬品

・第1類、第2類医薬品と比較すると、副作用や飲み合わせのリスクが低い薬です。
・薬剤師または登録販売者から対面またはインターネット等で購入が可能です。
・薬剤師または登録販売者による情報提供を受けずに購入できますが、気になることがあれば薬剤師や登録販売者から説明を受けることができます。

一般用医薬品をインターネットで購入する際は、安全性を確保するために、メール等を通じて医薬品の区分に応じた使用者の状態の確認や情報提供が行われます。
第1類医薬品の場合、薬剤師が年齢、症状、服用中の薬、妊娠・授乳の有無などを確認し、情報提供を行います。購入者は、その内容を理解したことを伝えた上で購入することができます。
第2類・第3類医薬品の場合は、必要に応じて薬剤師が購入者の状態の確認や薬の情報提供が行われた後、購入することができます。
※一般用医薬品をインターネットで購入できるかどうかは、薬局のホームページで確認できます。
また、厚生労働省のホームページでも、対象となる薬局の一覧を公開しています。
これは、安心して利用できるよう、薬局の名称や所在地、許可情報などを誰でも確認できる仕組みを整えるためです。公開することで、信頼できる薬局を選びやすくし、安全な購入をサポートします。

OTC医薬品を上手に活用しよう

OTC医薬品には、さまざまなメリットがあります。
例えば、医療機関が休診している時間帯や休日などに、身近な薬局やドラッグストアで購入できるため、急な体調不良や、医療機関を受診できない場合に対応できるのは、OTC医薬品の大きなメリットです。
その際、どのOTC医薬品を選べばよいかお困りの場合は、薬剤師または登録販売者が丁寧にサポートしますので、安心して購入することができます。

また、OTC医薬品は、症状が出たときに備えて自宅に常備しておくことができるのもメリットのひとつです。ただし、OTC医薬品にも有効期限があり、特に開封後の保管には注意が必要です。

参考ページ:残った薬は使える?市販薬と処方薬の使用期限

OTC医薬品は、軽度な体調不良や病気の予防に対して、自分で健康管理を行う「セルフメディケーション」の考え方に基づいて推進されています。薬を処方してもらうためだけに医療機関を受診すると、薬代に加えて医療機関での診察料なども必要になるため、OTC医薬品を使用することで、医療費を抑えられる場合があります。

OTC医薬品も薬である以上、副作用などのリスクはゼロではありません。
特に、持病がある方や妊娠中・授乳中の方、他の薬を服用している方は、購入前に薬剤師や登録販売者に相談しましょう。また、OTC医薬品を使用しても症状が改善しない場合や、症状が悪化した場合は早めに医療機関を受診してください。
ご自身の健康を守るために、ちょっとした疑問でも薬剤師や登録販売者に相談しながら、OTC医薬品を上手に活用していきましょう。

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