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医療機関で診察を受けたあとに手渡される「処方箋」。どのようなことが書いてあるのかご存知でしょうか。
本記事では処方箋の役割や記載内容の見方を詳しく解説するとともに、薬局での待ち時間を短縮できる便利なサービスもご紹介します。
処方箋とは
医師が診察の結果、治療に薬が必要と判断した場合に交付される「処方箋」。
処方箋は薬剤師が薬を調剤するための指示書として大切な役割を担っています。
また、国が定めた共通の様式で作成されるため、全国どこの薬局でも使用することが可能です。
保険による診療を受けた際に、医師より保険処方箋が交付されます。
この保険処方箋には、診察を受けた医療機関で薬を受け取るために必要な【院内処方箋】と医療機関外の保険薬局で薬を受け取るために必要な【院外処方箋】があり、本記事では保険処方箋のうち【院外処方箋】について解説しています。
処方箋の見方
処方箋には、治療に必要な薬の種類や分量、服薬方法、使用期間など「薬局で薬剤師が調剤するために必要な情報」がまとめられています。以下は主な項目です。

①患者さまの情報
保険番号、氏名、生年月日、性別が記載されています。受け取ったら自分の名前や個人情報が正しく記載されているか、確認しましょう。
②医療機関の情報
処方箋を発行した医療機関の所在地・名称、処方した医師の氏名が記載されています。
③交付年月日・使用期間
処方箋が交付された日付と、処方箋の有効期限が記載されています。
使用期間箇所が空欄の場合は、交付日を含めた4日間が有効期限です。
④ジェネリック医薬品(後発医薬品)への変更について
医師がジェネリック医薬品(後発医薬品)へ変更不可と判断した場合は、「変更不可」欄にレ点、または✕が記載されます。
レ点などがない場合は、患者さまのご希望によりジェネリック医薬品への変更が可能です。
※ただし、ジェネリック医薬品が販売されていないなどの理由で、変更ができない場合もあります。
⑤先発医薬品の希望について
患者さまご自身が先発医薬品を希望している場合は、「患者希望」欄にレ点、または✕が記載されます。
アレルギー歴などにより医師の指示で先発医薬品の調剤が必要と判断された場合は、左側の変更不可欄にレ点が入ります。
患者希望欄にレ点がある場合には、選定療養*に該当し、選定療養費の対象となります。
*厚労省の定めているジェネリック医薬品が存在する先発医薬品の調剤を希望した場合、その差額の約4分の1を選定療養費として患者さまにご負担いただく仕組み
⑥処方の指示
治療に必要な薬の種類や分量、薬の服薬方法などが記載されています。
薬によって、毎日服薬(1日1回朝食後、1日3回毎食後など)、週1回、4週間に1回、頓服(症状が出たときに服用)など、適正に薬を使用するための服薬方法が記載されています。
⑦リフィル処方箋(反復利用できる処方)の対応について
処方箋を繰り返し使用してよいと医師が判断した場合は、「リフィル可」のチェックボックスにレ点と、使用できる回数(最大3回まで)が記載されます。
また、使用した回数に応じて、調剤日や次回調剤予定日も薬局にて併記されます。
※「リフィル処方箋」についてはこちらの記事をご参照ください。
処方箋の有効期限
処方箋の「使用期間」欄に特別な記載がない場合、処方箋の有効期限は原則、交付日を含めた4日以内です。この4日間には土日や祝日も含まれるため、注意が必要です。
処方箋に有効期限が設けられているのは、診察から日数が経つと病状が変わる可能性があり、診察時の状態をもとに処方された薬では適切な効果が得られない場合があるからです。
なお、有効期限を過ぎた処方箋は無効となりますので、医療機関を再度受診し、処方箋を再交付してもらう必要があります。
この場合、1度目の受診時に保険が適用されているため、2度目の受診時は保険適用が認められておりません。
期限切れを防ぐために、処方箋が交付されたら早めに薬局で薬を受け取ることをおすすめします。


アイセイ薬局
薬剤師
処方箋の有効期限は原則交付日を含めた4日間ですが、事前に医師が残薬の確認を含め治療上問題ないと判断したうえで処方箋の延長を認め、延長の指示があった場合は、有効期限の延長を認められる場合があります。
処方箋を使って薬を受け取るまでの流れ
①薬局の受付で処方箋と一緒にお薬手帳と資格確認書またはマイナ保険証を提示します。
その際に、使っている薬(飲み薬、塗り薬、目薬、湿布、ドラッグストアで購入した市販薬など)やサプリメントがあれば、薬局薬剤師へお伝えください。
ご自宅に、以前渡された薬の飲み残しがある場合や、うまく飲めなかった・飲んだあとに調子が悪くなった薬があった場合なども薬局薬剤師に伝えましょう。
②薬剤師は処方箋の内容に加えて、併用薬やアレルギー歴などお伺いした情報、お薬手帳、薬局のご利用履歴などの情報を基に、適正な処方をされているか確認をしたうえで薬の準備を開始します。
※必要に応じて医師に問い合わせ(疑義照会)をさせていただく場合があります。
③薬の準備ができると、薬の飲み方や薬の効果、副作用の情報など注意事項を説明(服薬指導)し、薬をお渡します。

アイセイ薬局
薬剤師
2023年から、電子化された処方箋を使って薬局で調剤を受けることができる「電子処方箋」の運用が始まりました。医療機関と薬局の両方が「電子処方箋」に対応している場合に利用することが可能です。
薬の受け取り予約サービスを使ってもっと便利に!
薬局では、処方箋を受け取ってから薬剤師が患者さま情報および処方内容を確認後、薬の準備を開始するため、薬の受け取りに時間がかかる場合があります。
また、他に患者さまがいる場合は、さらに待ち時間が長くなってしまう可能性もあります。
薬局が混雑しているときや、すぐに薬局へ行けないときなどには、ご自身の予定に合わせて薬を受け取ることができる、アイセイ薬局グループの薬の受け取り予約サービス「おくすりPASS FAST」をぜひご活用ください。
処方箋の内容をスマートフォンのカメラで撮影し、アイセイ薬局グループの薬局に送信、受け取り日時を予約しておけば、お薬の準備が出来ましたら通知が届き、薬の受け取りにかかる待ち時間を短縮することができます。
この場合も処方箋の使用期間を守る必要がありますので、処方箋記載の使用期間欄を確認し、余裕を持った日程に設定しましょう。

薬の受け取り日時を予約できるアイセイ薬局グループの便利なサービス【おくすりPASS FAST】
関連ページ:
リフィル処方箋とは?
電子処方箋に関するご案内
よくあるご質問(処方箋)
参考文献:
厚生労働省「処方箋の使用期間にご留意ください」
厚生労働省「電子処方箋」
東京都薬剤師会「処方せんには何が書いてあるの?」
神奈川県薬剤師会「処方箋って何?」
厚生労働省「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について」
厚生労働省「長期収載品の選定療養」導入 Q&A
(記事監修:株式会社アイセイ薬局 薬事指導部)
アイセイ薬局
薬剤師
ご自身の先発医薬品の希望など(患者希望欄)も記載されますので、どのようなことが書かれているのか見てみましょう。