処方せんに書かれていないことを考えるのが、薬剤師の仕事。

薬剤師のキャリアは3年目。入社後は耳鼻科・小児科の門前薬局である下海老店で1年間勤務し、現在は循環器内科クリニックの門前薬局である西伊倉店に勤めています。循環器内科の患者さまは年齢層が高く、定期的に通院されている方が多いので、親しくお話ししやすいですね。

患者さまとの会話はとても大切で、薬歴に必要な質問だけではなく、最近の体調や健康状態、ほかに悪いところはないかなど、いろいろな話をすることで、他病院で処方されている薬や処方した薬以外に飲んでいる薬がないかどうか知ることができます。

二つの病院で種類の違う痛み止めを処方されていたり、別々の病院から処方限度を超える量の処方がされていたりなど、気づいた点は、ドクターに疑義照会を行います。より適切な薬の処方について提案し、未然に事故を防ぐことでドクターから直接電話で「ありがとう」と言ってもらえたときは、より良い医療に役立つ薬剤師の責務を果たせた気がして、やりがいと誇りを感じます。

仕事を通して学んだことは、薬剤師はつねに「考える仕事」だということ。例えば、処方変更があった場合、病名、薬歴、患者さまへの聞き取りから、変更の意味や処方意図を自分で調べ、考えなければなりません。なぜ薬が変わったのか、患者さま自身あまりよくわかっていないケースも多く、なかには薬が変更になった理由を聞かれるのが嫌な方もおられるので、つねに考え続ける毎日です。

ドクターからも患者さまからも信頼される薬剤師になるために。

高校生の頃から目指していた薬剤師になる夢を叶えたので、次の目標は、ドクターからも患者さまからも、信頼され、頼られる薬剤師になること。心配性な患者さまだと、今まで服用していた薬とは違う、新しい薬を処方されると不安になる方も多いので、服薬指導では、患者さまの心配や不安をやわらげる言い方やその方の気持ちに寄り添った説明をすることが大切です。また、処方変更のあとは服薬フォローとして、患者さまに電話で体調の変化や問題はないかどうか確認するのですが、そうすると皆さんとても感激して、「ありがとう」と感謝の言葉をかけていただけます。一人ひとりの患者さまときちんと向き合うことが、患者さまとの信頼関係を築く上で大事なことだと実感する毎日です。

『誠実かつ高潔に医療サービスを提供する』というアイセイ薬局の企業理念にもある通り、私は、安全かつ安心な薬の処方、服薬指導を行うことが、人々の健康を守る薬剤師の役割だと考えています。処方せん通り薬を出すだけではない薬剤師の役割を日々考えながら、薬についてはドクターと対等に話ができるよう、日々、学ぶ姿勢を忘れず、励んでいきたいと思います。