2026.01.21
2026年1月号
アイセイ薬局では、当社グループの最新ニュースを紹介する『AISEI百景』を発行しております。Vol.24(2026年1月号)では超高齢社会における服薬サポートと、介護予防に関する地域連携の取り組みをご紹介。そのほか、「独立支援事業」を活用し、地域密着の薬局を承継した若手薬剤師の事例、薬学生の活動支援についてお届けします。
地域の暮らしに寄り添い、
安心を届ける薬局の取り組み
超高齢社会を迎えた今、誰もが住み慣れた街で安心して暮らし続けるためには、自治体や医療・介護関係者など多職種の連携、地域全体の支え合いが不可欠です。薬局は、日常生活にもっとも近い医療拠点として、服薬管理に加え、健康相談や介護予防の支援などを通じて重要な役割を担っています。そこで、アイセイ薬局グループも地域包括ケアシステムの一員として、薬の専門家ならではの視点で、地域の健康を支える取り組みを推進しています。今回は、服薬支援装置の普及に向けた取り組みと、地域包括支援センターとの連携による活動事例をご紹介します。
「飲み忘れ」「飲まない」「飲みすぎ」「飲み間違い」をさらに減らすために
服薬支援装置の活用
ご高齢になると、お薬の管理が難しく、お薬カレンダーやお薬ボックスなどを使用しても「飲み忘れ」「飲みすぎ」「飲み間違い」等が起こることがあります。そこで当社では、声・音・光で服薬をサポートする「服薬支援装置」の導入を進めています。その一環として、より多くの患者さまの安全で効果的な治療につながるよう、ケアマネジャー等介護関係者向けの服薬支援装置説明会も各地で開催しています。
千葉県柏市では、9月に地域包括支援センターからのご依頼を受け、説明会を開催しました。南柏店の店長・薬剤師の江田真由美が、機器の操作方法や導入のメリット、導入後の流れ等を説明。残薬整理、服薬サポートなど、在宅の現場における薬剤師の役割についてもお話ししました。約20人のケアマネジャーやヘルパーの方々が参加され、実際に機器の操作も体験いただきました。
薬局ならではの気付きと連携
「薬局は定期的にいらっしゃる患者さまも多いので、認知機能の低下・変化などにも気付きやすいと思います。普段と違う行動をとるなど、気になる患者さまがいれば地域包括支援センターにも相談するようにしています。また、担当している在宅の患者さまに関しては、ケアマネジャーさんに報告書をFAXするだけでなく、定期的に電話をするなど連携を図っています。
患者さまへのサポートの具体例としては、通院されている独居の患者さまには、受診日が近づいた際にお電話で受診勧奨を行っています。同居のご家族がいらっしゃる場合は、ご家族にもどのようなお薬なのかなどを説明し、安心して服用いただけるよう努めています。地域医療の担い手として、患者さまやご家族だけでなく、多職種の方にも頼っていただける薬局を目指していきたいです」(南柏店 江田店長)
現状と今後の展開について、在宅推進部部長の望月一司に聞きました。
「薬剤師による専門的な服薬支援に加え、服薬支援装置を導入することで、多くの患者さまの服薬状況改善を実感しています。こうした取り組みは、医療・介護関係者の皆さまとの緊密な連携によって成り立つものです。当社では、装置を積極的に活用しながら、薬剤師が患者さま一人ひとりに寄り添い、適切な支援を行うことを重視しています。今後、新たな機器の導入を予定しており、より多くの患者さまの服薬改善と地域医療への貢献を目指してまいります」
日常生活の中でご高齢者の健康をサポート 北関東支店の地域活動
超高齢社会で独居の高齢者や老老介護の家庭が増え、介護予防の重要性はますます高まっています。介護保険制度の運用が見直される中、介護が必要になる前に、地域で支え合う仕組みづくりが欠かせません。その取り組みのひとつとして、高齢者が気軽に相談できる機会を提供することも大切です。
水戸市東部高齢者支援センター(地域包括支援センター)では、買い物のついでに介護や健康について相談できる場として、月1回、スーパーマーケットの店内で「なんでも介護相談会」を開催しています。当社北関東支店では支援センターと連携し、2020年から薬剤師が相談会に参加。野菜摂取量などの健康チェックを行うとともに、お薬や健康に関する相談に応じています。
センター長の日高友紀子様にお話をうかがいました。
「回を重ねるごとに、毎月15日は『ここにいる』と覚えていただき、買い物ついでに相談にいこうと思っていたとか、介護が必要になった家族のことを相談したいといった方、ひとり暮らしでおしゃべりだけでも寄ってくださる方などが増えています。高齢者人口増加に伴って介護保険の申請なども厳しくなっていることもあり、介護予防には特に力を入れています。介護予防の中では、ポリファーマシーの対策・解消も課題の1つですので、薬局にはこうした相談の継続や、地域での勉強会などをお願いしたいです。薬を飲むべきか悩んでいる方、自己判断で服薬を中断してしまう方、さまざまなお悩み・不安をお持ちの方がいるので、気軽に相談できる場所があると適正な服薬の啓発にもつながると思います」
地域医療を未来へつなぐ 独立支援事業
アイセイ薬局グループの株式会社AXISでは、社内外の薬剤師のキャリア形成と、薬局の継続による「地域貢献」の両立を目的とした「独立支援事業」を展開しています。本事業では、当グループの薬局店舗を引き継ぐ形の独立だけでなく、例えば経営者の高齢化に伴う後継者不足、赤字経営などの理由で事業を続けられなくなった薬局を、次世代に引き継ぐ「事業承継」の支援も行っています。薬局の事業承継は、単なる経営の引き継ぎではなく、地域の皆さまの安心と健康を守り、地域医療の継続性を支えるものです。今回はこの事業を利用し、他社の薬局を承継して独立した若手薬剤師の事例をご紹介します。
地域密着の薬局を引き継ぐ 若手薬剤師の現在地と夢
2024年11月、兵庫県神戸市に「ルーフ調剤 荒田町薬局」を開業した田渕翔也さんにお話をうかがいました。
――田渕さんの経歴を教えてください
2021年にアイセイ薬局に新卒で入社して、青森、岩手の店舗に勤務していました。3年目から店長を務めていました。
――独立を考えたきっかけは?
就職するときから、いずれは独立して自分の店舗を持ちたいと考えていました。実は、「独立支援制度」(独立支援事業の前のスキーム)があったのも入社理由の1つでした。現行の「独立支援事業」にリニューアルされて、経験年数など応募条件のハードルが下がったので、すぐに登録しました。
――20代での独立ですが、不安などはありませんでしたか?
もう少し経験を積んでから…とも考えましたが、早く自分でやりたいという気持ちがあったので、迷いはなかったです。働いている中で、店長になる前から、経営の視点を持つようには意識していました。
――この薬局(案件)に決めた理由をお聞かせいただけますか?
岡山出身なので、関西で開業することを希望していました。複数の案件を検討した中で、エリアと将来性、譲渡金額を含む条件が他より優れていたので、この案件を選びました。
――「ルーフ調剤」という屋号に込めた意味をお聞かせください
「地域医療の屋根に」という信念と、“refine of our future”、「患者さまの未来をより良くする(refine of our future)」という意味を込めています。
――独立支援事業を利用して良かったことは?
必要な手続きやスケジュールを示してもらえたので、書類の作成などをスムーズに進めることができました。調剤機器を購入する際のサポートも有難いです。譲渡時には独立支援事業のサポートを受けて、監査システムを導入しました。また、訪問医の先生方とお話しする中で無菌調剤のニーズがあったので、同じくサポートを受けて、最近、クリーンベンチを導入しました。
――アイセイ薬局での経験が活きていると感じることは?
調剤室内の動線や業務については、アイセイの店舗を参考にしている部分も多いと思います。患者さま対応や調剤報酬の面では、東北支店で強化していた取り組みを通じて身に付いたものがあるので、独立してからもあまり困ることはないです。
――独立して、いかがですか?
独立して良かったと思っています。良くも悪くも全部自分次第で、自分が頑張ればそれだけ結果が出てくるところにやりがいを感じています。
働き方などすべて自分で決められるので、休みなく働いている感じです。でも、患者さまのためなら、まったく苦ではないんです。日・祝日定休ですが、緊急時にはご相談いただければ24時間対応するようにしています。在宅の患者さまの臨時薬もありますし、休日や深夜に処方せん調剤をお願いしたいという急なご相談もあります。「助かりました」ととても喜んでいただけるので、やりがいになっています。そうした患者さまは、次回以降も処方せんをお持ちくださることが多いです。
――今後の目標・ビジョンなどがあればお聞かせください
今は薬局1店舗ですが、将来的にはもっと広げていきたいと考えています。また、介護事業もやってみたいなと思います。まずは、地域の方が何か困ったらすぐに相談できる窓口のような存在になりたいです。
株式会社MediTra
ルーフ調剤 荒田町薬局
〒652-0032 兵庫県神戸市兵庫区荒田町4-14-2
https://roof-pharmacy.com/
アイセイ薬局グループのAXISが支援する事業承継では、業界最低水準の仲介手数料で、開業後のアフターサポートなど、多様なサービスを提供しています。また、AXISの独立支援事業なら、さまざまな理由により譲渡希望となっている薬局と、独立希望の薬剤師をマッチングするため、スムーズな承継が可能です!当事業を利用して独立した店舗は8店舗(2025年12月現在)となりました。
「独立支援事業」について詳細はこちらをご覧ください。
薬学生の交流・成長をサポート
薬学生バスケットボール選手権に協賛
アイセイ薬局は、2025年8月に開催された「全日本薬学生バスケットボール選手権」ならびに11月から12月にかけて行われた「東日本薬学生バスケットボール選手権・秋季大会」に協賛しました。本大会は、全国の薬学生が集まり、スポーツを通じて交流を深める貴重な機会です。
アイセイ薬局は大会ロゴをデザインし、大会ボード等を制作、さらに優勝チームへの副賞として「優勝記念Tシャツ」を作成・贈呈しました。会場では、選手たちの真剣な表情や仲間との絆が感じられ、薬剤師を目指す学生同士が志を共有する場としても大きな意義を持つイベントとなりました。
今後も、未来の薬剤師を目指す学生たちの学びや交流を支える活動に積極的に取り組み、地域医療を担う人材の育成に貢献してまいります。
【主管校の選手の声】
川西凛太郎さん
「バスケは小さい頃からずっと続けていて、勉強の良い息抜きになっています。それに、バスケを通じて友だちやコミュニティの輪が広がるのも魅力です。今回の大会は協賛が入ったこともあり、優勝記念Tシャツは大きなモチベーションになりました。大会ボードの前で記念撮影するなど、みんなの記憶にも記録にも残る、良い大会になったと思います」
小瀧優空さん
「全日本で優勝できたので、東日本大会にもみんなで優勝Tシャツを着て参加しました。大会運営は大変なこともいろいろありましたが、周りの状況を見て意思疎通したり、察する力を身につけられたのが良かったと思います。協賛が入ることで、みんなのモチベーションが上がり、大会全体に活気も出ました。企業を身近に感じられるのも大きいと思います」
編集後記
ICT化・DXが日々の服薬サポートに大きな力となる一方で、患者さま一人ひとりに寄り添い、最適な対応を行うためには、薬剤師の専門性や多職種との連携が欠かせません。
当グループでは、技術と人の力を融合し、より良い医療サービスの実現に取り組んでいます。本年も、誰もがすこやかに、笑顔でいられる毎日のために、より一層努めてまいります。
施策に関するご質問や取材のご依頼はこちらから
株式会社アイセイ薬局 コーポレート・コミュニケーション部
担当:原田
TEL:03-3240-0250 E-mail:koho@aisei.co.jp