2025.04.21
2025年4月号
アイセイ薬局では、当社グループの最新ニュースを紹介する『AISEI百景』を発行しております。Vol.21(2025年4月号)では、新年度の社長メッセージをお届けするとともに、薬局の目線で認知症を考える「キャラバン・メイト」の取り組み、ヘルス・グラフィックマガジン最新号「フレイル」などをご紹介します。


より一層のサービス充実へ チャレンジ・変化の5年

2025年度4月から、アイセイ薬局グループは新たな中期経営計画をスタートいたします。「永続的企業になるために… チャレンジ・変化の5年、まずやってみる」をスローガンとして、この5年を進めてまいりたいと考えています。大きな変化の時代のただ中に私たちはいます。これをピンチではなくチャンス、良い機会として捉え成長の機会としていかなければなりません。この5年の取り組みの中で、大きなポイントの一つして考えているのが、DX・ICTの推進と既存システムの見直しです。薬局店舗・施設・本社それぞれありますが、特に薬局店舗でのDX推進をしていきます。既存にとらわれず、新しい発想でDXを進め、業務効率化を実現していきます。業務効率化を実現した先にあるのは、より一層の患者さま・利用者さまサービスの充実、また働く社員の処遇充実を実現したいと考えています。
昨年40周年を迎えたアイセイ薬局グループです。永続的企業を目指し、さらなる発展に向け、引き続きご支援、ご協力いただければと思います。この一年の皆さまのご健康と益々のご活躍を祈念しつつ、私からのご挨拶とさせていただきます。
今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
代表取締役社長 藤井江美
地域に根差し、患者さまに寄り添う アイセイ薬局グループの取り組み
住み慣れた地域で “自分らしい暮らし”をサポート

通院されている患者さまだけでなく、ご自宅や介護施設等で療養される方の訪問対応、医療機関への入退院時など、医療や介護の関係施設と連携しながら患者さまを支えます。患者さま一人ひとりに合わせたサービスを提供するため、多職種間でICTツール等も活用しながら密に連携を取り、チームとしてサポートできる体制を整えています。また、地域の皆さまの健康を支える拠点として、薬のことはもちろん、生活習慣のこと、食事・栄養のこと、介護のことなど、処方せんがないときでもご相談を承っています。
ライフスタイルにあわせて 便利なサービス
●薬局での待ち時間を短縮「おくすりPASS FAST」
スマートフォンから処⽅せんを送信することで、待ち時間を⼤幅に短縮できるサービスです。電⼦お薬⼿帳機能付きで、服薬情報も⼀元管理。安全かつ迅速にお薬を受け取れます。
●好きな時間・場所でオンライン服薬指導
スマートフォン・パソコン・タブレットなどのビデオ通話機能を使って、ご自宅にいながら薬剤師からお薬の説明を受けたり、外出することなくお薬を受け取ることができるサービスです(アイセイ薬局グループ全店舗でご利用可能)。


人生100年時代の健康とは?
ヘルス・グラフィックマガジン Vol.55「フレイル」
予防医療のための有益な情報や、セルフケアに役立つ健康情報を、当社の強みである「デザインの力」を発揮して、わかりやすく魅力的に紹介する『ヘルス・グラフィックマガジン(以下HGM)』。毎号ひとつの症状にフォーカスし、専門家によるメカニズムの解説や改善方法などの情報を、楽しいビジュアルとともに紹介する季刊フリーペーパーです。

「百寿者※」が年々増加し、2047年には50万人に達すると推計されるなど、平均寿命も百寿者の数も世界一となった日本。「人生100年時代」が身近になってきた今、健やかに年を重ねていくために知っておきたいのが「フレイル」のことです。年齢に伴って心身が少しずつ弱くなってきた状態のことを指し、誰にでも起こり得ます。まずは、ご自身や周りの方の心身の状態をチェック。フレイルやプレフレイルに気付けたら、それは健康寿命を延ばすチャンスです! HGM最新号では「フレイル」をテーマに、長く健康に過ごすためのヒントをお届けします。
※百寿者:100歳以上の長寿者
食事の知識をフレイル仕様にギアチェンジ
シニア世代の食の思いこみあるある

フレイルの予防・対策は、コミュニケーションや運動、食事、メイクなどさまざま。食事に関しては誤解や思い込みも多く、メタボに注意が必要な中年期とは異なり、高齢期にはむしろ「やせ」に注意が必要です。例えば、控えた方が良いと思いがちな卵はたんぱく源として優秀食材で、油も効率の良いエネルギー源。減塩にこだわりすぎて薄味で食が進まず、エネルギーや必要な栄養素の摂取が不十分になるなら本末転倒です。65歳未満は肥満や生活習慣病対策の食事を。65~74歳までは体重の増減傾向に合わせて、75歳以上はフレイル対策の観点で食事を考えましょう。体重を減らさないよう意識し、指標となる体重測定をぜひ定期的に。
近所のおでかけメリットたくさん!
てくてくフレイル予防マップ

一見無関係のようでも、フレイルの入口になりやすいとされているのが、人や社会とのつながりが希薄になること。外に出かけること、人と会うこと、体を動かすことはフレイル予防に大切なポイントです。地域の中には、一日中歩き回れて買い物や食事が楽しめるショッピングモール、趣味や教養の講座のある公民館、高齢者の健康や生活の相談ができる地域包括支援センターなど、フレイル予防になるスポットがたくさん。もちろん、薬局でもお薬や健康の相談を受け付けています。おうちから一歩踏み出すことこそ、フレイル対策の第一歩です。
このほかにも、必要なお薬が多くなる高齢期に起こりやすい「ポリファーマシー」の問題とその解決策、炊飯器ひとつで作れて簡単なたんぱくレシピなど、「フレイル」にまつわる情報をたっぷりお届けします。長く元気に過ごすために、できることから一つずつ積み重ねていきましょう!
【メイン監修】葛谷雅文先生(名鉄病院 病院長/名古屋大学名誉教授)
★HGM「フレイル」号およびバックナンバーのデジタル版はこちらからご覧ください。

薬局の目線で認知症を考える
キャラバン・メイトの取り組み
高齢化に伴い在宅医療の対応件数は年々増加し、中でも、介護保険サービスを利用する認知症患者さまの対応が多数を占めるようになってきました。地域の皆さまの健康を支える拠点として、また地域包括ケアシステムを担う一員として、アイセイ薬局グループも、認知症の方が安心して暮らせるまちづくりを目指す取り組みに参加しています。今回は愛知県名古屋市で、「認知症サポーターキャラバン」の「キャラバン・メイト」として活動する社員の取り組みをご紹介します。
キャラバン・メイト
認知症になっても安心して暮らせる町づくりを目指す全国キャラバン・メイト連絡協議会が、都道府県、市区町村など自治体と全国規模の企業・団体等と協催で養成する「認知症サポーター養成講座」の講師役。キャラバン・メイトは自治体事務局等と協働し「認知症サポーター養成講座」を企画・開催する。住民から相談を受けたり関係機関との連携を図ったりすることで、地域のリーダー役となる役割が期待されている。

左)東海第1支店マネージャー・薬剤師 木俣宏章
右)アイセイ薬局 中島店 医療事務 千田留実
木俣:キャラバン・メイトになったきっかけは、地域包括支援センターの方からのお誘いでした。担当エリアの店舗職員に声を掛けたところ、20年以上医療事務として活躍している千田さんが手を挙げてくれて、1年ほど前から一緒に活動しています。「認知症サポーター養成講座」の講師の他、ご高齢者や認知症の方と一緒にスーパーマーケットで買い物をするイベントに参加し、健康チェックや健康相談を行っています。このイベントは2024年12月に始めた試みで、これまでに2回開催されています。今後、月に一度の開催を継続していく予定なので、キャラバン・メイトとしても薬剤師としてもお役に立てたらと思っています。

千田:当社の研修の一つとして、認知症サポーター養成講座を受けていたのですが、何かに活かせているという実感はありませんでした。キャラバン・メイトとして講座の資料作りや講師を担当したことで、普段から無意識に認知症に関する本を手に取ったり、取り上げられているテレビ番組をチェックしたりするようになり、以前よりも認知症という病気を身近に感じることができています。
木俣:キャラバン・メイト養成研修等で学んだことが、知識として身に付き、患者さまへの接し方も改めて考えるようになりました。例えば、同じことを何度もお話しになる方に対しては、「前にも言っていましたよ」などの注意はせず、全部受け取って返答することや、財布からお薬代を出していただくときも「ゆっくりで大丈夫ですよ」「一度全部出しても良いですよ」などとお声掛けして、急かさずに対応することが大切であると実感しています。キャラバン・メイトの活動がきっかけで、認知症患者さまにもっと深く関わりたいと思うようになり、「認知症研修認定薬剤師」のワークショップにも参加し始めました。
キャラバン・メイトのメンバーには、ケアマネジャーや地域包括支援センターの方が多く、薬剤師や医療事務は少ないそうです。薬剤師が講座を企画・実施することで、より薬にフォーカスした話ができ、地域の皆さまにも新たな視点で認知症への理解を深めていただけるのではないかと思います。
千田:何度も受講してくださっている地域住民の方から、「薬のお話をメインにやってくれたのは初めて。とても勉強になりました」というお声をいただきました。薬をきちんと服用するのが難しい認知症の方が多いので、薬剤師がキャラバン・メイトになることで、服薬や残薬などのケアもしやすくなるのではないかと思いました。薬のことで困ったら薬局に相談すれば良いんだという気付きにもなると考えています。
在宅医療における課題のひとつ
認知症患者さまの服薬
木俣:数カ月に一度、キャラバン・メイトが集まって意見交換などをする連絡会があります。そこに区の福祉課の方がいらっしゃったので、多職種が集まる連携会議などに薬局が参加できないか相談したところ、これまでは薬剤師が参加してくれると思わず、ケアマネジャーのみで集まっていたとのことでした。薬局からもぜひ参加してほしいと言っていただき、多職種連携会議に参加できるようになったのですが、これはキャラバン・メイトの活動が多職種連携につながった良い事例だと感じています。在宅医療の現場でも認知症の方が増えているという実感があるので、ケアマネジャーやヘルパーの方々、デイサービス等と連携を取れると、今よりもしっかりサポートできるのではないかと思います。「あの方少し心配だな」と感じる患者さまがいればすぐに介護関係者と連携できるようになることが理想です。
千田:患者さまのご家族が認知症という場合もあります。以前中島店で訪問していた患者さまは、配偶者の方の認知機能が低下していて、訪問前のお電話で「今から○○さんに薬を届けに行きます」と伝えても、「家にいない」と返されることが何度かありました。ご家族を含めてサポートすることも考えなくてはと思います。
木俣:認知症患者さまは、用法用量通りの薬の服用が難しい方がとても多いです。軽度~中等度の方は服薬支援装置の導入が有効な場合もありますが、中等度後期~重度の方は服薬支援装置にも反応しなくなるので、その方たちをどうサポートできるのかが課題です。実際に、現在対応している患者さまの中には、症状が進んでいて装置導入が難しく、介護職の方が毎日薬を飲ませている状態の方がいます。どうケアするのが最善なのかを考えていかなくてはなりません。
地域包括ケアシステムにも貢献できる
キャラバン・メイトの活動
木俣:地域包括ケアシステムの構成要素である、住まい・医療・介護・予防・生活支援の中で、薬局が貢献できているのは主に医療と予防の部分です。認知症サポーターキャラバンは、この2つに加えて生活支援や介護の部分もカバーできていると感じます。全国各地で地域包括ケアシステムが進んでいる中で、キャラバン・メイトとしての活動は、薬局が地域に貢献できる形の一つなのではないかと思います。今後も薬剤師だからこそできる活動を継続していくことで、安心感や信頼感を持っていただけたらうれしいです。
※地域包括ケアシステム
重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される仕組み。(厚生労働省ホームページ「地域包括ケアシステム」より)

より良いわたしへ、一歩ずつ。
“わたしらしくありたい”に寄り添う『わたし漢方』
なにかと忙しく、つい自分のことを後回しにしてしまいがちの毎日。そんな日々の中でも、「より良いわたし」でいられるように、こうありたいと思う心身の状態に整えていくお手伝いができたら…
アイセイ薬局グループが運営するオンライン漢方相談サービス『わたし漢方』は、一人ひとりの「わたしらしい健やかさ」への歩みに寄り添い、支えていきます。

LINEで相談しながら、漢方で続ける体質改善
専門の漢方アドバイザーが寄り添います
『わたし漢方』はLINEに特化したオンライン漢方相談サービスです。初回無料の体質チェックを行うと、漢方に精通した薬剤師が現在のお身体の状態を確認し、一人ひとりにあった体質改善プランをご提案します。
その後も、より良い状態に自分を整えていくプロセスに寄り添い、不調の改善や悩みの解消に伴走。服薬中に不安に思ったことや身体の変化について気になることなど、LINEでいつでもなんでもご相談いただけます。漢方薬の変更や追加など、すべてLINEで完結できるのも特徴です。

※ほかのお悩み・詳細は『わたし漢方』サイトをご覧ください
新プラン登場! さらにお悩み・体調に合わせたプラン展開へ

漢方薬は大きく、散剤・エキス剤・煎じ薬・丸剤に分かれています。『わたし漢方』では散剤・エキス剤に加え、刻んだ生薬を水から煮だして服用する「煎じ薬」の提供を開始しました。煎じ薬は賦形剤などが使われていないため漢方薬本来の純度の高さがあり、生薬が持つ効果を余すところなく発揮できます。また、漢方薬の大切な構成要素になる味や香りを感じていただきやすいという特徴もあります。
編集後記
今回表紙に登場してくれたのは、「キャラバン・メイト」として地域に寄り添うおふたり。笑顔の絶えない、とても楽しい撮影になりました。特に千田さんの笑顔には人を元気にするパワーがあり、地域の皆さまに愛される理由がわかります。
施策に関するご質問や取材のご依頼はこちらから
株式会社アイセイ薬局 コーポレート・コミュニケーション部
担当:原田・蛎崎(かきざき)
TEL:03-3240-0250 E-mail:koho@aisei.co.jp