2026.04.23
2026年4月号
アイセイ薬局では、当社グループの最新ニュースを紹介する『AISEI百景』を発行しております。Vol.25(2026年4月号)では、新年度のスタートにあたり社長メッセージをお届けするとともに、薬剤師やご利用者さまの声を生かして改良された「服薬支援装置」の新モデルを特集。そのほか、学校等で展開している出張授業「AISEI SCHOOL」の取り組みについても掲載しています。
構造転換期におけるPDCAの【C】
「検証」の徹底と次のアクションへの展開
2026年度は調剤報酬改定の年です。今回の改定内容には、これからの薬局に求められる役割や方向性が色濃く反映されていました。一方で、私どものようなチェーン薬局にとっては非常に厳しい面も多く、距離制限の導入や各種加算等の見直しによって、実質的にマイナス改定となるケースも生じます。現場では戸惑いや不安の声が出るのも当然のことと思います。
しかしながら、すべてが厳しいわけではありません。ベースアップ評価料の創設により、社員の処遇改善や給与向上につながる可能性が生まれました。後発医薬品調剤体制加算も仕組みは変わりつつも点数は維持されており、取り組み次第で評価を得られる余地は残されています。在宅分野の評価の見直し・新設、その他加算など努力の方向性が明確になった点もあります。
今回の改定は、厳しさと期待が入り混じる内容だったと言えます。しかし、プラスの評価を得るためには相応の努力が欠かせません。環境がどれほど厳しくとも、私たちは一歩ずつ着実に前へ進んでいくしかありません。
新たな取り組みや既存業務の検証を進め、業務の効率化や省人化を図りながら、顧客サービスのさらなる向上につなげていくことが求められています。
求められる役割をあらためて理解し、患者さまにとって「頼れる薬局」であり続けること、そして地域にとって「必要とされる薬局」であり続けること。そのために、今日できる小さな一歩を積み重ねていく姿勢こそが、これからの私たちに最も求められていることだと考えています。
今年度も、アイセイ薬局グループは永続的企業を目指し、さらなる発展に向け歩みを進めてまいります。皆さまのご支援・ご協力を賜れましたら幸いです。この一年のご健康とご活躍を心より祈念しつつ、私からのご挨拶とさせていただきます。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
代表取締役社長 藤井江美
誰もがすこやかに、笑顔でいられる毎日を。
アイセイ薬局グループは、「誰もがすこやかに、笑顔でいられる毎日」を目指し、地域医療に貢献するための取り組みを続けています。「地域のかかりつけ」として、薬による治療のサポートに加え、予防や未病の段階からの健康支援、健康相談や地域活動を推進。健康情報誌「ヘルス・グラフィックマガジン」 、スキンケアブランド「KuSu(クス)」などを展開し、皆さまの健康づくりを多角的にサポートしています。
健康情報誌 ヘルス・グラフィックマガジン
毎号ひとつの症状にフォーカスし、医師や専門家が症状・改善方法を楽しいビジュアルで解説するフリーペーパー
プライベートブランド KuSu(クス)
「くらし、すこやか」というコンセプトのもとに生まれた、スキンケアブランド
現場の声をヒントに進化した、服薬支援装置
ご高齢になると、お薬の管理が難しく、「飲み忘れ」「飲みすぎ」「飲み間違い」などが起こることがあります。「お薬をきちんと飲み続けること」の難しさは、患者さまだけでなく、ご家族や医療・介護関係者にとっても大きな課題になっています。
そこでアイセイ薬局グループでは、声・音・光で服薬をサポートする「服薬支援装置」の導入を進めています。服薬支援装置は、服薬行動の改善を促し、患者さまの“自分でできる”を増やすとともに、ご家族や介護者の負担軽減にもつながるツールです。装置を活用しながら、医療・介護関係者の皆さまと連携し、薬剤師が専門的な服薬支援を行っています。
そしてこのたび、薬剤師やご利用者さまの声を取り入れた新モデルが登場しました。「困りごとを見つけて解決するものづくり」を信条とする株式会社ミヤサカ工業の経営顧問・宮坂義政様、新規事業部の鈴木稔様に、開発への想いやこだわりを伺いました。
Q.初代の服薬支援装置を発案・製作されたきっかけを教えていただけますか?
宮坂顧問:当社では、世の中の困りごとを見つけて解決する製品をつくっています。その製品づくりには、すべて“きっかけ”があります。初代の服薬支援機も、社員の家族が認知症で、薬を飲み過ぎて救急搬送されたという出来事がきっかけでした。話を聞いて、安全に飲める装置が必要だと感じ、開発に着手。試作と検証を重ね、完成までに1年半ほどかかりました。
Q.特に苦労されたこと、工夫されたことは?
宮坂顧問:当社のものづくりは「マネをしない」こと、自分で考えて、独自の機構、独自の技術を用いた製品を開発することにこだわっています。一番難しかったのは、薬のケースがひっかからずにスムーズに落ちてくる構造をつくることでした。また、AC電源ではなく、乾電池式にしたいと最初から考えていたので、乾電池で安定した動作を実現すること、省エネ回路にすることにも試行錯誤しました。乾電池式だと、まず移動が簡単。それに、停電時や災害時にも使えるという大きなメリットがあります。
災害時も安心!乾電池式で約2年稼働
•置き場所を選ばない
コンセント位置に左右されず、生活スタイル・動線に合わせて自由に設置できます。
•コード抜けや転倒の心配がない
コンセントが外れて装置が止まるというトラブルがありません。また、コードにつまずくリスクもないので、安全性が高まります。
•災害・停電時も安心
非常時でも動作が留まらず、服薬管理を続けられます。
Q.初代の装置について、利用された方の声・反応をお聞かせください
鈴木課長:お母様が夜中に起きて朝と間違えて飲んでしまうなど、薬の飲みすぎに困っていたという方から、装置の利用により、過剰摂取がなくなり調子よく過ごせるようになったという声をいただきました。アンケートでも飲みすぎ・飲み忘れが改善された、もっと早く知りたかったといった声があったり、長文の手書きの手紙をいただくこともあって、とても励みになります。
Q.今回完成された、新モデルの改良点を教えてください
宮坂顧問:お客さんや薬局・薬剤師さんからいただいた要望をできるだけ反映して改良しました。主なところでは、お知らせの音量を大きく、セットできる薬ケースを7個から9個に、薬のセットを前面からに、といったところです。
乾電池式で音量を大きくするというのはなかなか難しい部分でしたが、基板設計を見直し、スピーカーの構造も工夫して、以前の1.5倍以上の音量を実現しました。装置の近くに来ると案内するように、人感センサーを付けています。薬ケースの数は薬局から要望の多かった点です。装置のカバーの鍵も、独自に考えた方式を採用しています。
Q.現場の声を改良に活かしていただきましたが、印象に残ったことなどはありますか?
宮坂顧問:最初は自分たちの想像でつくっていたのですが、薬局の皆さんの具体的な意見・要望を聞くことで、今回の改良につながりました。現場の声がなければ、独りよがりな機械になってしまいます。率直な意見をもとに開発できたことが良かったと思っています。
Q.最後に、超高齢社会の中で、ものづくりにかける想いを教えてください
宮坂顧問:“世の中の困りごとを解決する”ことを基本にしています。必要とされている現場を見てつくるというやり方ですが、これまでもその姿勢が製品を育ててきたと感じています。服薬支援装置も、高齢化が進む今の社会に必ず役立つものだと考えています。
\ アイセイ薬局薬剤師が紹介 /
新・服薬支援装置 3つのポイント
服薬のタイミングを知らせる音声を
より聞こえやすく
【薬剤師より】
薬を飲んでいただくために、しっかり聞こえるようにお知らせすることが重要になります。生活音のある環境や加齢による聴力低下にも配慮して、音量を上げていただけるようにご相談しました。
1週間+2日分のお薬ケースで安心
【薬剤師より】
原則、薬剤師が週1回ご自宅等を訪問し、服薬状況や体調の確認、お薬のセットを行っています。9日分あれば、1週間セットをしつつ、訪問日を早めることなく定期的な訪問が可能です。また、訪問日の調整が必要になった場合にも対応できます。
鍵付きのカバーで安心
【薬剤師より】
装置には鍵が付いており、管理者だけが開けられる仕組みになっています。生活動作の中で誤って触れてしまったり、必要以上に取り出してしまったりすることを防げるので安心です。
服薬支援装置が支える さまざまな“安心”のかたちと、その可能性
昨年12月、岐阜県大垣市で開催された「福祉用具展示会」に出展。ケアマネジャーや訪問看護師、介護スタッフ、相談員など多数の介護関係者が来場され、当社ブースでは実際に服薬支援装置を体験いただきました。その中で、日々の支援現場で感じている課題とともに、多くのご意見を伺うことができました。
来場者の方々からは、
•「ヘルパー訪問時やデイサービス利用時はフォローできるが、ご自宅でおひとりの時間帯に飲み忘れや飲み間違いなどが起きやすい。装置があると改善につながりそう」
•「独居の親の服薬時、家族が見守りカメラ越しに声をかけているが、なかなか難しい」
•「見守り機能※があると、リアルタイムで確認できて便利」
といった声が寄せられました。
さらに、すでに、離れて暮らすご家族に装置を導入されている方からは心温まるエピソードも。食後になると装置の前に座り、「おくすりの時間です」という呼びかけに対し、「今日もありがとね、飲むわよ」と返事をしながら服薬されているというお話を伺いました。
服薬支援装置が、単なる“服薬管理の機器”にとどまらず、ご本人の自立を支えながら、ご家族の安心、そして介護現場の負担軽減にもつながる存在であることを改めて感じられる展示会となりました。
※一部機種には、スマホやPCで服薬情報を確認できる見守り機能(Wi-Fi接続)を搭載しています。
ご利用者さまの状況やご自宅の設置環境に合わせて、商品選択が可能です!
在宅推進部 部長 望月一司よりメッセージ
在宅医療は今後も、国が求める地域医療の柱であり、薬局に不可欠な機能です。
この新モデルは患者さまの服薬アドヒアランスを支える有力なツールですが、他社の参入も進む中、装置の有無だけでは差別化はできません。
大切なのは、ツールを活かして患者さまのメリットを最大化し、多職種の皆さまがそれぞれの専門性を発揮できる環境を整えることです。服薬アドヒアランスにとどまらず、現場で多職種の皆さまと連携しながら多角的な在宅支援を模索し続けることで、地域医療の質向上に貢献してまいります。
地域の健康と未来をつなぐ出張授業『AISEI SCHOOL』
アイセイ薬局では、薬剤師や管理栄養士等が講師となり、子どもたちに薬や健康、薬剤師の仕事について楽しく学んでもらう出張授業「AISEI SCHOOL」を展開しています。今回はその一環として、中学校での「職業講話」と、小学校での「正しいお薬の使い方」の授業を実施しました。
薬剤師ってどんな仕事?
1月23日、神奈川県横浜市の中学校で、1年生を対象に薬剤師による「職業講話」を行いました。薬剤師の仕事と役割、身近な薬との正しい付き合い方について、具体例を交えながらお話ししました。生徒の皆さんは事前学習で薬剤師の仕事を調べ、資格のことややりがい、安全のための工夫など、たくさんの質問を考えてくれました。
皆さんの真剣に話を聞く姿勢や笑い声で緊張がほぐれ、リラックスして話すことができました。熱心な質問も多く医療の役割を次世代へ伝える大切さを改めて実感しました。困ったときに気軽に相談できる身近な存在に感じてもらえるよう、地域とのつながりを大切にしていきたいと思います。
(センター南店 根本真吾)
薬のことを正しく知って すこやかな毎日を
2月9日には、横浜市内の私立小学校にて「正しいお薬の使い方」の授業を実施しました。薬剤師2名が薬を適切に使うためのポイントや薬剤師の役割を紹介。途中の○×クイズでは一生懸命考えながら手を挙げる児童の皆さんの姿が印象的でした。
今回は短時間ではありましたが、私自身も楽しみながら取り組むことができました。皆さんが薬や健康について真剣に耳を傾けてくれたことが印象に残っています。今後もこのような機会があればぜひ参加し、正しい知識をわかりやすく伝えていきたいと考えています。地域の皆さまの健康意識向上に少しでも貢献できれば幸いです。
(宮崎台店 川島匠)
少しでも薬剤師という職業のことを知っていただけたら幸いです。地域の皆さまが健康や薬のことなど、相談したいことがあれば助けになりたいと思い業務にあたっています。今後も皆さまが、より健康に、より活発になれるよう地域貢献をしていきたいと思います。
(宮崎台店 十河英莉子)
今回の授業を通じて、子どもたちが薬や薬局、薬剤師の役割について理解を深め、日々の健康づくりに役立てていただけたらうれしく思います。今後も地域とともに、次世代の健康意識を育む活動を続けてまいります。
編集後記
メーカーさん、薬剤師・他職種の皆さんの「もっと良くしたい」という想いと専門性が重なり、日々の安心は進化しています。取材を通して、現場の声が未来へ向かっていることを実感しました。患者さまの安心と地域の皆さまの健やかな毎日のために、これからも機能とこころの両面から、一つ一つ工夫を重ねていきます。
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株式会社アイセイ薬局 コーポレート・コミュニケーション部
担当:原田
TEL:03-3240-0250 E-mail:koho@aisei.co.jp